朝の洗顔」について、どのように考えていますか?

先日、肌の綺麗な後輩(20代前半)から、「乾燥肌対策で、朝の洗顔は“水だけ”にしてるんです。時短にもなって一石二鳥ですよ」と聞き、驚きました。

たしかに、洗顔のしすぎは、潤いが損なわれて乾燥肌になりやすいといわれていますが、朝の洗顔を水だけにしてしまうと、夜の睡眠中に分泌された皮脂が気になります。水で油は落とせないからです。

水だけで洗顔した後、肌に余分な皮脂が残った状態で、化粧水の浸透はどうなるの?毛穴の汚れは落ちるの?など、筆者の頭上にはハテナがたくさん。

化粧水や美容液などに頼らず、朝の洗顔を“水だけ”に切り替えることで簡単に美肌になれるなんて、そんなウマイ話があるものだろうかと思いましたが、筆者の調べたところによると、美容に高い意識を持たれた女性の多くが、水だけ(または、ぬるま湯だけ)の洗顔を実践したことがある、もしくは継続中ということが分かりました。

朝の洗顔は、毎日の基本的なスキンケアの1つです。
そして、“洗うこと”と“潤すこと”で素肌の基盤ができるともいえるでしょう。

今回は、“1日の始まり”ともいえる「朝の洗顔」にスポットを当てて、スキンケアのお話をしようと思います。

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朝の洗顔は水だけ!の良いことあれこれ

「朝の洗顔は水だけ(ぬるま湯だけ)がいい」とされる理由として、次の事柄が考えられます。

朝の洗顔は水だけがいい理由① 時短になる

朝の洗顔を水だけ(ぬるま湯だけ)にすると、時間短縮になります。

たとえば、泡洗顔の場合だと、まず洗顔フォームを泡立てて、顔全体を洗ったら肌に泡が残らないようにすすぎ、タオルドライ、化粧水、乳液等で保湿ケアという一連の流れがあります。

水だけ(ぬるま湯だけ)の洗顔を実践しているひとは、「化粧水や乳液等の保湿ケアは不要」とする場合が多く、また、洗顔フォームを使用した泡洗顔と比較すれば、泡立てが不要というだけでも、なかなかの時間短縮になります。

朝の時間って、あっという間に過ぎてしまうのですよね。

洗顔後にはメイクアップやヘアセットが控えているし、その他、朝食やお弁当づくり、着替えたり、朝のニュースをチェックしたりと、少し思い返すだけでも次々とやるべきことが湧いてきます。主婦の方であれば、家事や育児にも大忙しでしょう。

水だけ(ぬるま湯だけ)の洗顔は、「忙しい朝は時短重視」というひとにとっては、打ってつけの洗顔方法かもしれません。

朝の洗顔は水だけがいい理由② 洗いすぎ対策

スキンケアの観点からは、“洗いすぎ”による肌のダメージを緩和することができる、という考え方です。

きちんと毛穴の汚れや皮脂等を落とすためには洗顔料を使う必要がありますが、洗いすぎは、かえって肌にダメージを与えかねません。

肌の細胞は、毎日、生まれ変わります。そして、その細胞は、少しずつ肌の表面に浮き上がってきて、垢となり、剥がれ落ちるようになっています。

このような「ターンオーバー」と呼ばれる肌再生のサイクルは、年齢によって変動するといわれています(以下は目安)。

  • 20代……約28日周期
  • 30代……約40日周期
  • 40代……約55日周期

肌がダメージを受けている状態では、ターンオーバーに時間がかかってしまいます。

そのため、水だけ(ぬるま湯だけ)の洗顔には、洗いすぎによる肌へのダメージを防ぎ、「ターンオーバーを正常に整える」といった目的があると考えられます。

朝の洗顔は水だけがいい理由③ 与えすぎ対策

次に、洗いすぎと同時に、“与えすぎ”は、肌のバリア機能の低下を促進させる、という考え方です。

乳液や保湿クリームを与えすぎて肌を甘えさせてしまうと、これらに含まれた油分や乳化剤が、肌の再生力にブレーキをかけてしまい、毛穴の汚れや詰まりを引き起こすといったものです。

肌のバリア機能が低下すると、肌の水分が逃げやすくなり、化粧水等で保湿ケアをしても追いつかず、乾燥状態が続いてしまいます。

また、乾燥ばかりではなく、外部刺激を受けやすくなり、ちょっとした刺激にも痒みを感じてしまうようになります。

“化粧水や乳液等の保湿ケアは不要”とする水だけ(ぬるま湯だけ)の洗顔には、過剰なスキンケアを避けることで「健康的な肌を取り戻すことができる」といった目的があると考えられます。

朝の洗顔は水だけ!心配ごとあれこれ

洗顔する女性

上記のとおり、肌への負担を考えると「朝の洗顔は水だけで十分」とも思われますが、水だけの洗顔には、いくつかの心配ごともあります。

水だけ洗顔の心配ごと① 化粧水の浸透

朝の洗顔を水だけ(ぬるま湯だけ)にしたら、化粧水や乳液等は付けないという場合が多いようですが、「肌の乾燥が気になるため、きちんと保湿ケアをしたい」というひともいると思います。

ところが、肌の汚れを落としきらないまま、その上に化粧水をつけても、化粧水は肌に浸透されずに弾かれてしまいます

朝起きた後の肌には、ホコリ、分泌された汗や皮脂、古い角質などの汚れが付着しています。

余分な皮脂は、時間とともに酸化し、「変性皮脂」と呼ばれる状態となって、水分保持能力やバリア機能の低下、毛穴の汚れ、ニキビや引出物など、さまざまな肌トラブルを引き起こします。

変性皮脂は、水だけ(ぬるま湯だけ)ではほとんど落とせません。

そのため、化粧水などの保湿成分は肌に浸透されず、日中、特にファンデーション等のメイクを重ねた肌は、ますます乾燥してしまいます

肌のターンオーバーを正常に機能させて、キメを整え、化粧水の浸透を良くするためには、水だけ(ぬるま湯だけ)の洗顔では、実は不十分なのです。

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水だけ洗顔の心配ごと② 毛穴の汚れ

毛穴の汚れは、上記で掲げた「変性皮脂」といった余分な皮脂が毛穴に溜まることで起こるといわれています。

余分な皮脂を肌に残したままでいると、その上から乳液や保湿クリームを与え続けていくうちに皮脂が詰まり、毛穴の汚れや毛穴の開きにつながります。

毛穴の汚れを放っておくと、黒ずみやニキビの原因にもなります。

また、肌が乾燥したり、弾力が損なわれると、毛穴の周りの皮膚が重力に逆らえずに広がっていき、毛穴の汚れや毛穴の開きが目立つようになってしまいます。

朝の洗顔を水だけ(ぬるま湯だけ)にすると、余分な皮脂を落としきれず十分なケアができないため、かえって健康的な肌から遠ざかってしまう恐れがあります。

ただ、敏感肌のため、やはり朝の洗顔は水だけ(ぬるま湯だけ)がいいと思われる場合や、特に乾燥が気になるようなときは、皮脂が気になるTゾーンだけ部分的に洗顔料を使うなど、肌のコンディションに合わせて朝の洗顔方法を選ぶことも大事です。

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水だけ洗顔の心配ごと③ 肌の糖化

最近、美容や健康の話題で「肌の糖化」という言葉を耳にします。

肌の糖化とは、皮膚のタンパク質がグルコースという糖分と一緒になって反応すると、褐色の糖化生成物ができ、弾力性低下や黄ぐすみなどにつながるというものです。

グルコースという糖分は、ひとに必要不可欠な成分です。
保湿剤としてスキンケア化粧品にも幅広く使われているので、夜寝る前にお手入れした化粧品を肌に残したまま放っておくと、肌にも糖化が起こり得るといわれています。

そのため、糖化してしまう前に排出する必要があるのですが、肌の表面に残った保湿化粧品も水だけ(ぬるま湯だけ)で落とすことは困難です。

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朝の洗顔、どうすればいい?

上記でご説明したとおり、肌の表面に汚れが残ったままでは、化粧水などの浸透力が落ちてしまいます。

一見、肌にうるおいを保持させると思われる“水だけ(ぬるま湯だけ)の洗顔”ですが、逆に、乾燥肌を引き起こすこともあるので注意が必要です。

言い換えると、目に見えない汚れまで丁寧に洗い落とすことで、その後のスキンケアの効果が向上するということです。

水だけ(ぬるま湯だけ)では落としきれない汚れがたくさんあることを掲げましたが、ここで筆者の考える、丁寧に洗い落としつつ、乾燥肌にもやさしい朝の洗顔についてご紹介します。

  1. 保湿成分の入った洗顔フォームをキメ細かく泡立てて手早く洗う
  2. ミルクタイプやクリームタイプのクレンジング剤でマッサージ
  3. 化粧用コットンに拭き取り化粧水を含ませて古い角質をオフ

朝の洗顔① 洗顔フォームの場合

洗顔フォームを使う場合のポイントは、キメ細かな泡をつくること、泡でやさしく(ゴシゴシ洗いは厳禁)、下から上に円を描くようなイメージで、約1分以内に手早く洗うことです。すすぐときも肌を擦らないよう要注意です。

なお、熱いお湯ですすぐと肌が乾燥してしまいます。少し冷たいなと感じるくらいのぬるま湯で、すすぎ残しのないよう丁寧にやさしく心掛けましょう。

朝の洗顔② クレンジングミルクorクリームの場合

肌のつっぱりが気になる、ゴワつきやザラつきを感じるという場合には、朝クレンジングをお試しください。

メイク落としの必要のない朝にクレンジング剤?と思われるかもしれませんが、クレンジングミルク(またはクリーム)は、肌に馴染みやすく、やさしく毛穴汚れや古い角質を洗い落としてくれるので、その後の化粧水などが肌に浸透しやすくなります。

テクスチャーは、ミルクやクリームのタイプをお使いください。
オーガニックコスメなど自然派化粧品には、乾燥肌や敏感肌にも安心して使えるクレンジングミルク(またはクリーム)がたくさんあります。

朝クレンジングの場合も、洗顔フォームの場合と同様に、すすぐときに肌を擦らないようにすることや、温度、すすぎ残しに気を付けましょう。

朝の洗顔③ 拭き取り化粧水の場合

拭き取り化粧水は、肌に刺激の強いコットンを使うと肌荒れの原因となる場合があるため、肌質に合わせたコットン選びが重要なポイントとなります。

また、毛穴の汚れが気になるとき、拭き取ろうとするあまり、ついつい摩擦しすぎないよう注意が必要です。
コットンに化粧水をたっぷり沁みこませ、やさしく肌を撫でるように拭き取るよう心掛けましょう。

最後に

以上、朝の洗顔の考え方について、ご紹介しました。

ただ、すべてのひとにとって正解といえるような、スキンケアの常識はありません。

もし、今の洗顔方法で肌が綺麗だと感じるのであれば、そのまま継続していいと思いますし、不調になったらそのとき洗顔方法を切り替えればいいと思います。

何よりも自分の肌と向き合うことが大切です。
自分の肌に合っているかを重視し、肌の状態に合わせて柔軟に変えてみてください。

忙しい朝に無理なく、自分の肌に合わせた朝の洗顔方法を見つけて、潤いがしっかり保たれていることの実感できるスキンケアを継続しましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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