雑穀はとても栄養価の高い穀物です。最近はカフェのランチなどでも「雑穀米」を選べる所も増えてきました。

白米のご飯よりも、雑穀を加えることで栄養価のバランスが良くなり、健康効果や美容効果が期待できます。

ここでは、玄米との比較も含めて雑穀の種類とその栄養、効果、効能を詳しく説明したいと思います。

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雑穀の主な種類と栄養

現代の日本人の主食は主に白米です。

雑穀の定義ですが、今は広い意味で「キビ」「アワ」「ヒエ」や「ハトムギ」「オオムギ」などのイネ科の植物の他に「ソバ」「アマランス」「キノア」「ゴマ」、そして「アズキ」「ダイズ」などの豆類や同じ米でも一般的に普段はあまり食べない「玄米」「発芽玄米」なども雑穀に含めるようになっています。

雑穀は白米には無いビタミンやミネラル、ポリフェノールなどを含んでいて、老化防止や免疫力のアップに効果が期待されています。

では、主な雑穀の栄養について見ていきましょう。

キビ

北海道から沖縄まで全国で栽培されていて、実の色が黄色いところから語源は「黄実」、それがやがて「キビ」と呼ばれるようになりました。でも中には白っぽいものや褐色の物もあります。

栄養価はビタミンB1、B6、亜鉛、ナイアシンなどが多く含まれ、黄色い色は抗酸化作用の高いポリフェノールの色です。

アワ

縄文時代から栽培されていた「ヒエ」と並んで日本最古の穀物といわれています。

表面の色はポリフェノールで、抗酸化作用の高い成分です。
穀物の中ではパントテン酸の含有量が特に多く、その他ビタミンE、ビタミンB1、B6、亜鉛、ナイアシン、カリウム、鉄を含みます。

栄養豊富なキビは米が日本に伝わるまでは日本人の主食だったと考えられています。

ヒエ

「アワ」と並ぶ日本最古の穀物で、寒冷地などでも育つことから「冷え」に強いという意味の言葉から「ヒエ」と呼ばれるようになったようです。

ヒエに含まれるたんぱく質の中には善玉コレステロールを増やす働きのある成分があると言われています。

その他の栄養成分は、ビタミンB6、亜鉛、ナイアシン、パントテン酸、カリウム、リンなどです。

モロコシ

使用用途の多い穀物で、ビールの醸造原料としても使用されるものです。

赤みをおびた色や噛みごたえのある食間からベジタリアンのためのひき肉代用食としても使われることがあります。

栄養価はビタミンB1、B6、ポリフェノール、カリウム、リンなどです。

オオムギ

形状によって「六条大麦」「二条大麦」に分かれ、食用に使われるのは「六条大麦」でビール原料に使われるのは「二条大麦」です。

オオムギの特徴は水溶性食物繊維が豊富に含まれていることで、市販されているオオムギはローラーで潰した形の「押し麦」や精麦した「丸麦」などが一般的です。

ハトムギ

ハトムギは日本には江戸時代に中国から薬用として伝わりました。中国では漢方薬として使われてきたもので漢方薬名はヨクイニンといい、様々な薬効があるといわれています。

日本でも食用の他にお茶としても親しまれてきた穀物です。

アマランス

最初は日本には江戸時代、ヒモゲイトウという鑑賞用の植物として伝わったようです。

東北地方では小規模に食用として栽培されていました。

ビタミンB6、亜鉛、カルシウム、葉酸、鉄などの栄養価が穀物の中でもとても高いものです。皮がやわらかいので全粒のまま食べられることも栄養価が多く摂れる理由です。

キノア

主要生産国はペルーやボリビアで、日本に流通しているものはほとんどが輸入品です。

カルシウムや鉄などのミネラルが豊富なもので、オオムギ同様、食物繊維も多く含んでいます。糠のような独特の香りがあります。

古代米

古代米・有色米などと呼ばれるものです。黒米、赤米、緑米などがあります。

《黒米》ポリフェノールの一種のアントシアニンを含み、食物繊維、鉄、マグネシウムなどが豊富なものです。

《赤米》ポリフェノールの一種のタンニンを含んでいます。

《緑米》緑色の成分は緑黄色野菜と同じクロロフィルです。

小さな雑穀の粒の中にはこんなに豊富な栄養素が詰まっているんですね。雑穀の事をあまり気にとめていなかったとしたら、ちょっと見直してみる価値があるかもしれませんね。

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玄米と雑穀米を比較すると栄養は?

お米売り場に行くと白米、雑穀、玄米などが並んでいます。

「玄米も体に良さそう」「雑穀とどちらがいいのかな?」と迷ってしまうかもしれませんね。ここで玄米と雑穀の特徴について比べてみましょう。

玄米

玄米はビタミンB1、ビタミンE、カリウム、食物繊維が豊富でビタミンEにおいては白米の12倍含まれています。

胚芽に含まれる「フチン酸」という成分が体内の老廃物を排出するのを助けるので解毒作用や、食物繊維の豊富なことから腸内環境が整い便秘など腸の不調が改善される効果も期待できます。

ビタミンEの抗酸化作用による老化防止やカリウムの利尿作用でむくみの解消も期待できそうです。

雑穀米

雑穀米は主に白米に混ぜて食べるので、雑穀自体の量は玄米のように多くはありませんが、数多くのビタミンやミネラルをバランス良く摂ることができます。

それに加えてオオムギが入っていれば水溶性食物繊維がとても多く含まれているので玄米と同じく腸のために良い効果が期待されます。

雑穀米の場合は白米に混ぜる量や雑穀の種類によっても効能、効果に違いがあります。

玄米も雑穀米もそれぞれに体に良い効果がありますので、どちらがより良いとはいえません。

ただ、どちらも白米に比べて消化しにくいという特徴がありますので、胃腸になにか障害がある場合や体調が悪い時には同じ玄米や雑穀米でも「おかゆ」にして食べるなど工夫すると良いと思います。

体調も良く、胃腸もとても元気だという時には玄米に雑穀を混ぜて炊くというのも良いのではないでしょうか。

白米から雑穀米に変えるだけで健康と美容に効果が!

白米に雑穀を加えることでたくさんの健康効果、美容効果が得られるんです。

健康効果と美容効果、それぞれについてみてみましょう。

健康効果

雑穀は白米に比べて血糖値が急上昇するのを防ぐ効果があります。

GI値(血糖値の上がる速度を表す数値)をみると白米だけの場合はGI値88、雑穀米にするとGI値55になりますので、糖尿病の予防にも良いといえます。

雑穀米にするとポリフェノールも摂れるため、体を錆びつかせる活性酸素からも守ってくれる効果が期待されます。

美容効果

雑穀米にはたくさんの種類のビタミン・ミネラルが含まれるので、健康だけでなく美容にもとても嬉しい効果が期待できます。

アワにはとても多くのパントテン酸が含まれていますが、このパントテン酸は細胞組織を正常に保つという働きがありニキビや肌荒れなどのトラブルの予防効果が期待できます。

またハトムギは中医学でも美肌効果デトックス効果があるとされるもので、お茶として飲んでも美容に良いものです。

雑穀米で健康的にダイエット

ただカロリー制限をしたり激しい運動をするのではなく、白米を雑穀米に変えるだけで健康的なダイエット効果も期待できます。

代謝促進効果

雑穀にはビタミンB群であるナイアシンが多く含まれています。

このナイアシンは他のビタミンB群の仲間たちと協力して代謝を促す働きをします。
そのため体脂肪を燃やしやすい体を作り、ダイエットのための運動効果を高めます。

そして雑穀に多く含まれる食物繊維は腸内環境を整えて便秘を解消する効果が期待できますので、やはり代謝が良くなりダイエットの効果を高めます。

満腹感

雑穀は白米よりも歯ごたえがあるので、自然と咀嚼の回数が増えます。
そのため早く満腹感を感じやすくなるので食べ過ぎの予防につながります。

その他キヌアは水分を含むと膨らむ性質をもっているので満腹感を感じやすく、同じく食べ過ぎの予防になります。

雑穀の効果・効能まとめ

ここまで、雑穀の栄養や健康効果・美容効果、玄米との比較などをしてきましたが白米に何割か雑穀を混ぜた雑穀米にすると、健康や美容にとても良い影響があることがわかりました。

毎日の食事で雑穀を取り入れるだけで、悩んでいた腸の不調や、なかなか減らない体重の悩みに改善がみられるかもしれません。

健康になり、お肌もきれいになったら嬉しいですね。

こちらは玄米のダイエット効果について詳しく書かれた記事です。合わせてお読みください。

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