口腔ケアとは何?口腔ケアにはどんな効果があるの?
最近メディアでも取り上げられる「口腔ケア(オーラルケア)」、お口の中のお手入れの事ですが、実際には何をするのでしょか?
毎日の歯磨きひとつとっても、夜一回だけ磨く人、朝晩二回の人、食事の度に磨く人、ひとそれぞれです。
近頃は歯科医院でも定期的な歯の健康診断をしてくれるところが多くなりました。
口腔内を健康に保つことは、全身の健康につながります。
近年、お口の中の状態が様々な病気や高齢者のQOL(生活の質)に大きく関わることがわかってきました。
また、幼いころからの歯磨き習慣は大人になってからの健康に大きな影響を与えます。
ここでは、口腔ケアの目的や、「一般」「子供」「高齢者」の口腔ケアの手順、そしてその効果についてご説明します
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目次
口腔ケアとは?その目的と効果
口腔ケアとは簡単にいえば「お口の中のお手入れ」ということになります。
一般的には「歯磨き」「うがい」などをイメージされる方が多いと思いますが、「口腔ケア」はお口の中を清潔に保つだけでなく、様々な体の健康に影響を与える大切な事なのです。
①「噛む」という行為は、食事の時にお口に入ってきた食べ物を細かく刻み、唾液と混ぜ合わせて「消化しやすく」する役割があります。
きちんと「噛む」ことができるように、虫歯の予防、歯肉炎の予防はとても大切なことです。
②そして「噛む」という行為は脳に刺激を与えて、脳を活性化させる働きもあります。
特に高齢者において、「噛んで食べる」という事は、認知症の予防や、誤嚥の予防のためにも大切なことなのです。
③それから、もうひとつ大切な事のひとつに「噛み合わせ」という要素もあります。
「噛み合わせ」が悪いと、食べ物をよく噛めないのはもちろん、体のバランスが崩れ、肩こりの症状が出たり、平衡感覚がにぶるという心配もあります。
このように口腔ケアは体に大きな影響を与えます。
また、口腔ケアをしっかりとして、今まで身体に出ていた様々な症状が改善する可能性もあります。
口腔ケア、「セルフケア」と「プロのケア」
「口腔ケア」には自分で毎日行う「セルフケア」と歯科医師や歯科衛生士が行う「プロのケア」があります。
セルフケア
セルフケアは自分で行う毎日の口腔ケアです。
歯磨きの他にも以下のようなことがケアとして考えられます。
①歯磨き
適切な歯ブラシを使い、できれば毎食後ていねいに磨く。
歯間ブラシやデンタルフロスなども使って、歯垢を取り除く。
②帰宅時のうがい
口は食べ物の入り口でもありますが、外気の入り口でもあります。
そのため、外気のウィルスなども侵入します。
外から帰宅したときには、うがいをすることが感染症などの予防になります。
③食事内容を工夫する
「噛む」ちからを維持するためには、あるていど「噛みごたえ」のある食べ物を食事に取り入れる必要があります。
食事の中にひとつ、少し硬めで噛みごたえのあるメニューを加えることで、噛むちからが鍛えられ、脳にも良い刺激となります。
こちらに、とてもわかりやすい「歯磨きのしかた」の動画がありますので、ぜひご覧ください。
プロのケア
毎日のセルフケアでは足りない、あるいは出来ないことがあります。
歯科定期検診などで行われる歯科医師や歯科衛生士により「プロのケア」はとても意味のあることです。
①個人のお口の状態や全身の状態を総合的に見たアドバイスが受けられる
持病をお持ちの方や、介護が必要なかた、お子様など、その人の状態によって合うアドバイス、ケアが受けられます
②歯石の除去など、自分ではできないケアを受けられる
歯石の除去、入れ歯の調整など、自分では難しいケアが受けられます。
③口腔内のトラブルに関するアドバイスが受けられる。
ドライマウス、口内炎、その他口腔内のトラブルに関するアドバイスを得られたリ、適切な病院の紹介などが受けられます。
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子供の口腔ケア、年齢別、手順
子供の口腔ケアは歯の成長と共に変わります。
また、自分で歯磨きが出来るようになるまでに、正しい方法を習慣づけてあげることが大切です。
①0歳~1歳
乳歯が生えてきたら、離乳食を食べた後にガーゼを巻いた指で歯のまわりを拭いてあげましょう。
そして、小さくて毛の柔らかい歯ブラシで生えている歯を磨いてあげましょう。
歯ブラシを子供の手にもたせてあげて、歯ブラシに慣れさせてあげるのも良い時期です。
②1歳~2歳
奥歯が生え始めますので、ていねいに歯ブラシで磨きましょう。
大人のまねをしたがる時期、なんでも自分でやりたい時期でもありますので、タイミングをみて子供に歯磨きの練習をさせてあげましょう。
③3歳
歯が生えそろい、噛むちからも増してきます。
自分で歯磨きをしたあと、仕上げ磨きをしてあげましょう。
水でブクブク口をゆすぐ事も練習させてあげましょう。
④4歳~5歳
ひとつひとつの歯も大きくなります。
歯ブラシの使い方もだいぶ上手にできるようになりますが、まだ仕上げ磨きをしてあげる事をオススメします。
夜寝る前や食後の歯磨きを習慣化してあげましょう。
⑤6歳
大人の歯も生えてきます。
正しい歯磨き、うがいの仕方を身につけて、口腔ケアの自立をめざしましょう。
こちらは歯が生え始めた赤ちゃんの歯磨きの仕方の動画です。
高齢者の口腔ケア、注意点、手順など
高齢者の口腔にはいくつかの特徴があります。
また、身体も高齢者特有の状態があります。
ここでは、高齢者の口腔ケアについて考えてみたいと思います。
①入れ歯、治療済の歯の増加
高齢者の口腔内の特徴のひとつとして、長年の間に治療された歯が多く存在するという事です。
加えて部分入れ歯、総入れ歯などを使用しているため、歯磨きによるセルフケアだけで口腔内の状態を最善に保つことが難しくなります。
②唾液の減少
年齢を重ねるにしたがい、唾液が減少する傾向にあります。
唾液は口腔内を洗浄する役割もあり、唾液が減少することで口の中に細菌が残りやすくなります。
③病気、介護などによるセルフケアの不足
病気による入院や、寝たきりなどによる要介護状態になると、今まで自分でしてきた口腔ケアを行うことが困難になります。
そのため、介護する家族や看護師などが、口腔ケアをする必要があります。
このような、セルフケアだけでは口腔内の健康を維持できなくなった場合、主に次のような問題が発生するリスクがあります。
誤嚥性肺炎
口腔内に残った食べ物や、細菌が肺に入り、肺炎を起こすものです。
高齢者にとって非常にリスクの高いものですので、口腔ケアにより事前に予防したいものです。
認知症
食べ物を噛むという動作は脳に良い刺激を与えます。
また、目で料理を見て、口に入れて味わい、噛んで歯ごたえを楽しむ、という食事の流れは心と身体に活力を与えるものです。
食事を口から摂取できなくなった場合、これらの刺激が無くなり、脳の働きにも影響するおそれがあります。
できるだけ、ほんの少しの量でも口から食事をとり続けることは、とても大切な事なのです。
QOL(生活の質)の低下
食事は自分で買い物に行き、料理をして、食べるという一連の生活中のの行動です。
これは年齢を問わず脳に良い刺激となりますが、高齢者にとってはとても重要な事柄となります。
口腔内に問題が生じる、または介護状態になって食事という楽しみを奪われると、「生きる意欲」に大きな影響を与えるといわれています。
食事は人間のQOL(生活の質)に大きく関わることですので、できるかぎりの「食べる喜び」を長く保つためにも、口腔ケアは重要な役割を担っています。
こちらは要介護者への口腔ケアの実際の映像を使った動画です。
注意点やコツなどわかりやすく、入れ歯の手入れの事なども説明されています。
ご家庭で要介護のご家族を抱えていらっしゃる方にもぜひ参考にしていただきたいものです。
年齢を重ねてもできるだけ長く元気でいるためにも、口腔ケアを実践していきたいですね。
口腔ケアの目的や手順、効果のまとめ
ここまで、口腔ケアについて、その目的や手順、どんな効果があるかをみてきました。
口腔ケアは単にお口の健康だけではなく、全身の健康、そして生活全般にかかわる重要なものです。
最近は歯科医によるプロフェッショナルなケアや口腔ケアに関する教育も充実してきました。
まずは口腔ケア、セルフケアの見直しから始めてみませんか?
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hasimoto
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