歯間ブラシとは、歯と歯の間に溜まった歯垢を掃除する小さな歯ブラシです。
歯のお手入れにその歯間ブラシが必需品であることをご存知ですか?
「歯間ブラシを使ったほうがいいのはわかるけど使い方がわからない」「歯間ブラシの選び方がわからない」「歯ブラシだけじゃだめなの?」そう感じているひとも多いと思います。
それでは、歯間ブラシの使い方や、頻度、タイミングなどをご紹介します。
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目次
歯間ブラシの使い方
まず、ペンを持つように歯間ブラシを持ちましょう。
これは、力が入りすぎるのを防ぐためです。
そして、必ず鏡を見ながら口の中に歯間ブラシを入れます。
口は大きく開けすぎると歯間ブラシを歯と歯の間に入れにくくなるため、できるだけ小さく口を開けると入れやすくなります。
まずは、外側から歯と歯の根元に直角に入れ、5回ほど往復させます。
このとき、力を入れずに優しく挿入できる箇所にだけ使うように注意しましょう。
内側からも入る部分がある場合は、入るところだけ入れるようにしましょう。
内側から歯間ブラシを使うのは難しいため無理をしないようにしましょう。
歯肉が腫れていると出血がある場合がありますが、2週間ほど続けることで歯肉が引き締まり出血が止まります。
歯肉の腫れがあるひとは、歯間ブラシによるプラークコントロール(歯に付着した歯垢の量を減らすこと)がしっかりできてくると腫れがひき、歯と歯の隙間が広がったように見えてしまいがちです。
しかし、それは腫れがひいたことで起きたことであり、残念ながらその隙間は本来の姿なのです。
歯と歯の間が狭い箇所や、歯並びの悪い箇所には歯間ブラシは使えません。
挿入しづらいと感じたら、無理せずデンタルフロスを使いましょう。
歯間ブラシの使用頻度
歯間ブラシは、毎日使うようにしましょう。
1日の頻度は、3回の歯磨きすべてではなく、1日1回の使用で問題ありません。
時間に余裕のある夜の歯磨き使用することをおすすめします。
歯磨きの後に使うの?先に使うの?
歯磨きの後と、先、どのタイミングに使うかによって、効果が違います。
歯磨きの後に歯間ブラシを使うと思われがちですが、それは間違いです。
歯間ブラシは歯磨きの前に使いましょう。
もしも、歯磨きの前に歯間ブラシを使うと、歯間ブラシで取り除いた歯と歯の間にあった歯垢が、口をゆすいだだけでは取り除けず歯の表面に付着したままになってしまうのです。
歯磨きで大まかな汚れをとってから歯間ブラシを使いたい場合は、最後にもう一度歯磨きをしましょう。
使ったあとのお手入れ
歯間ブラシを使ったら流水でしっかりと洗い、よく水を切り、風通しの良いところで乾かしましょう。
高温のお湯などで消毒するとブラシ部分が変質してしまうため避けましょう。
歯間ブラシは雑菌を除去するための器具です。
雑菌が繁殖しないように清潔に保つことはとても大切なことです。
歯間ブラシの交換時期
歯間ブラシは使い捨てではないため、歯ブラシと同様に繰り返し使うことができます。
しかし、使い古した歯間ブラシには雑菌が繁殖してしまうため、長期間使い続けないようにしましょう。
歯間ブラシの交換時期は使い方によっても異なりますが、歯周病の治療をしているひとで1週間、予防目的で使用しているひとで2週間くらいが目安となります。
「針金が折れた」「ブラシが減ってきた」「針金に対してブラシが倒れたまま元にもどらない」「ブラシにコシがない」などの場合には早めに交換するようにしましょう。
歯間ブラシのサイズ選び
歯間ブラシは歯と歯の隙間に合わせてサイズを選びます。
サイズが小さすぎると、せっかく歯間ブラシを使っても歯垢が残ってしまうためその効果がありません。
逆に、サイズが大きすぎると歯や歯肉を傷つけたり、歯と歯の間を広げたり、歯を削ってしまう場合もあります。
歯間ブラシの中にある針金が歯にあたる場合はサイズが大きすぎる証拠です。
歯間ブラシのサイズを選ぶときのポイントは、まずは歯と歯の隙間よりも小さいサイズを選ぶことです。
歯の場所によっては隙間の広がりが異なりますので、必要に応じてそれより大きいサイズを追加して揃えるようにしましょう。
つまり、ひとによってはサイズを複数種類用意する必要があります。
サイズは次のようにだいたい5種類用意されています。
SSS
歯間部の広さ: ~0.8ミリ
適した箇所:前歯などのとても狭い箇所(食べ物の繊維が歯の間につまる)
SS
歯間部の広さ:0.8ミリ~1.0ミリ
適した箇所:前歯や臼歯など、やや狭い箇所(食べたら歯の間に必ず詰まる)
S
歯間部の広さ:1.0ミリ~1.2ミリ
適した箇所:歯肉がややさがっている箇所(食べ物の塊が歯の間詰まる)
M
歯間部の広さ:1.2ミリ~1.5ミリ
適した箇所:歯肉がさがっている箇所や、ブリッジを装着している箇所(見た目に歯と歯の間にすき間が空いているのがわかる)
L
歯間部の広さ:1.5ミリ~1.8ミリ
適した箇所:歯肉がさがっている箇所や、ブリッジを装着している箇所(歯と歯の間のすき間に影ができるほと大きく空いている)
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タイプ(形状)の選び方
歯間ブラシには、I型とL型の2タイプがあります。
I型は前歯に使うためのものですが、L字に折り曲げてL型とするタイプも多くあります。
L型はそのままの形で前歯と奥歯に使用することができるため、私の通っている歯科ではL型をすすめられます。
なぜ歯間ブラシが必要なの?
もともと歯間ブラシは歯周病を治療するために開発された器具です。
歯周病や加齢によって歯肉が下がり、歯と歯の間に大きくすき間ができてしまいます。
歯と歯の間にすき間があると歯垢(プラーク)という生きた細菌が溜まりやすくなります。
プラークが残ったままになると、歯周病や虫歯になります。
プラークは粘着性が強いため、うがいなどではもちろん取り除けません。取り除けなかったプラークは歯石となります。
そして、歯石は歯の表面にしっかりと付着します。
歯石はブラッシングでは取り除けません。
付着した歯石の中や周囲に更に細菌が入り込みます。
そして、毒素を出し続け、歯周病を進行さていくのです。
歯周病が進行すると、歯と歯肉の境目が深くなることで、歯周ポケットが生まれます。
歯周ポケットがどんどん深くなっていくと、歯を支える土台である歯槽骨が溶けて、歯が動くようになります。
最終的には抜歯をしなければならない状態となってしまいます。
そう聞くと、とても怖いですね。
歯ブラシでどんなにしっかりと歯磨きをしても、物理的に歯と歯の間の磨き残しはでてしまいます。
歯間ブラシを使うことでプラークの8割~9割ほど除去できるといわれています。
歯間ブラシを取り入れたプラークコントロールにより、虫歯や歯周病予防ができるのです。
ワイヤーを使用していない歯間ブラシ
針金ではなく、ゴムで作られた歯間ブラシが販売されています。
歯間ブラシを使ったことがないひとや、針金の使用感が合わないと感じる方はゴムで作られた歯間ブラシから始めてみるのもいいでしょう。
最後に
歯間ブラシの使い始めは出血をともなう場合があります。
通常は2週間ほどで出血は治ります。
しかし、2週間経っても出血が止まらない場合は、歯科医の診察をうけましょう。
出血がなくても、定期的な歯科検診をうけることをおすすめします。
歯ブラシのブラッシング指導と同じように、歯間ブラシのブラッシング方法も丁寧に教えてもらうことができます。
また、歯間ブラシのサイズを相談することもおすすめします。
歯科医に歯と歯肉の状態を見てもらうことで、自分の歯や歯肉がどのような状態を知ることもまた、口腔ケアのひとつでもあります。
口腔ケアについては口腔ケアとは何?目的や手順、効果が知りたい!をご参照下さい。
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HARU
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